株式会社はてなを退職します

2018年12月31日をもって、株式会社はてなを退職します。本日11月30日が最終出社日となります。はてなには2015年10月に入社し3年間在籍しました。お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。

はてなは、以下の3つのサービスを展開しています。

私は、コンテンツマーケティングサービスのSaaS型オウンドメディアCMSはてなブログMedia」のビジネス部門のマネージャーを任せていただいていました。

コンテンツマーケティングサービスは、私が入社する直前のFY15期末からFY18期末までの3年間で、売上が3.67億円から7.33億円に200%成長、はてなブログMediaの導入件数は、17件から46件に2.7倍成長しました。*1

このような成長環境に身を置けたことはとても幸運でした。この環境を通して私自身も成長させていただきました。

お客様はコンテンツマーケティングの最前線の方、ビジネスパーソンとして尊敬できる方ばかりでした。また、上司や同僚にも恵まれ、はてなという素晴らしいUGCサービスを作ってきた会社が、自社のアセットを使ってどのように顧客に貢献し、自社をマネタイズしてきたかを学びました。

私は、入社して最初の1年は、はてなビジネスブログにも書かせていただきましたが、直接お客様と接し、営業活動や、受注後のオウンドメディア構築支援、運用中のサポートを担当させていただきました。約20のオウンドメディアを担当させていただきました。また、これらを通して得た知識を体系化・文書化し業務フローの標準化を行いました。

2017年2月にマネージャーに昇進後は、チームメンバーの育成やマネジメントを行い、組織的に売れる体制の構築を目指してきました。合わせて、営業活動を通しての顧客ニーズから、はてなブログMediaの新しいプランの開発を行いました。プランの開発では、事業計画や戦略立案、予算計画の策定、それらを実行に落とし込むディレクション全般を牽引させていただきました。

その他にも営業推進活動や、顧客の声を集めプロダクトチームへフィードバックし開発に貢献したり、アドテック関西やクラウドワークス様のセミナーに登壇させていただく等、さまざまな経験をさせていただきました。

組織的に売れる体制もでき、チームメンバーも増え、個々人の優秀さも相まって、はてなブログMediaは順調に売上を拡大しています。多くのお客様の役に立つことができ、とても嬉しく思います。

はてなに入社前、私はグループ全体で社員が4万人いる会社でWebディレクターをしていました。その頃から、小さな組織で自分が主体となり物事を進めていきたい、小さな歯車ではなく強く大きな歯車となりたい、と思っていたのですが、その希望が叶いとても幸せな3年間を過ごすことができました。

この3年間を通して、文字通り事業の10→100フェーズ(正確にはまだ100には届いていないのですが)を身をもって経験しました。大好きなUGCサービスを提供しているはてなに縁あって入社し、期せずしてコンテンツマーケティングSaaSのビジネスに深く関わることができたのは、自身のキャリアにとって大変意義のあることでした。

自分の中でキャリアに一区切りがつき、次のステップとして2つの選択肢が見えてきました。1つは、はてなでビジネス面だけでなく、はてなブログMediaのプロダクト開発に貢献していくこと、もう1つは、外の環境でビジネス職として新しいことに挑戦すること。

良いご縁があったこともあり、後者を選択しました。

次もSaaSを提供している会社で、今度はコンサルタントとして働きます。はてなで得た経験を活かし、多くの顧客の役に立てるようこれからも精進して参ります。

今までお世話になった皆さま、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

f:id:hatenabusiness:20160819145856j:plain

「三方よし」にするために考えていること

はてな営業部ビジネスディレクターのid:tnishikawaです。

この記事は「はてなディレクターアドベントカレンダー」の24日目の記事として書かれました。前の記事は、id:kiyo-shitディレクターにとっての「カウボーイの鞍」でした。

三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)という近江商人の考えがある。それは、売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならない。*1という考えだ。

僕は、はてなブログMediaというオウンドメディアCMSのセールス・ディレクションを担当している。*2これまでのアドベントカレンダーで書かれてきた、サービスのディレクターとは少し立ち位置が違うが、ビジネスディレクターとして案件を「三方よし」にするために考えていることを書いていきたい。

売り手よし

売り手とは自社のことだ。まず、大前提として自社に利益が出なければならない。そのためには、なるべく正確な工数の算出が必要だ。見積もりが甘く、想定していた工数と、実際にかかった工数に乖離がうまれることはよくあるが、これは避けなければならない。正確に見積もるためには、顧客の要望を正しく理解・ブレイクダウンし、必要な工程をすべて洗い出すようにする。

そして、誰が、何を、いつまでにやるかを決めて管理する。

また、自社の開発者のモチベーションも非常に大事だ。モチベーションが下がると生産性も下がる。モチベーションを下げるような案件はなるべく請けないようにする。

買い手よし

買い手とは顧客のことだ。顧客に選んで良かった!と思われる仕事がしたい。そのためには要望を引き出し、できるならば潜在的な要望も引き出し、それに応える。要望を引き出すためには、顧客との対話が重要だ。対話する際は、言葉だけではなく、チャートなどを使って視覚的に整理するのも良い。

ただ、すべての要望をかなえることができない場合もあるので、妥協点を探すことも重要だ。

今ない機能でも、多くの顧客から要望があれば、新しく開発することを検討しても良い。何を開発すべきかを精査し、顧客のためにより良いサービスになるように、サービスのディレクターと調整していくことも大事な仕事だ。

我々のサービスで、顧客のビジネスに貢献できればこんなに嬉しいことはない。

世間よし

顧客のビジネスに貢献できれば、それを通して、世の中に貢献できる。顧客の顧客まで見据えた仕事ができると良い。

はてなブログMediaは、とても良いサービスなので、多くの企業に使ってもらいたい。そして、良いメディア・コンテンツが増え、より良い社会になるように貢献していきたい。


先日、担当したとあるメディアが無事に公開された。お客さんはとても感謝してくれて、僕もすごく嬉しかった。そのメディアは丁寧に取材された記事でいっぱいの担当者の思いがつまったメディアだ。こんな仕事を、これからもたくさんしていきたい。

ビジネスディレクターの仕事は、顧客の思いを形にすることだと思っている。微力ながら、自分の仕事を通じて少しでも社会の役に立つことができれば、それはとても幸せだ。

はてなディレクターアドベントカレンダー、次回は id:nmyさんです。